カテゴリー「学習・研究・教育」の記事

ペナルティではなくサポートを

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 収入の少ない人の方が、肥満率も喫煙率も高く、健診受診率は低くなります。それなのに、なぜ政府は、健診受診率の低い人々に金銭的ペナルティを課し、多くの費用を負担させるのでしょうか? 必要なのはペナルティではなく、サポートです。
 Obesity rates, smoking rates, and uncheckup rates among the low income group are more high than those among the high income group. Yet why does the government lay a economic penalty on the people who don't have a checkup? They need a support, not a penalty.

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介護職の離職

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 「介護離職」ではなく、その主要な背景である「介護職の離職」に関する調査研究の報告書が、浜銀総合研究所から発表された。浜銀総研が厚生労働省から受託した調査研究事業であり、その検討委員会の委員長を、僭越ながら私が勤めさせていただいた。興味深いデータ満載だが、なかでも私が注目したのは、大学や専門学校などで福祉を勉強して介護職になった人と、勉強せずに介護職になった人の違い。

 「低収入」「将来性がない」「職場の人間関係」「結婚・出産などのライフイベント」などが介護職の離職理由で上位を占めることは、これまでもよく知られていた。しかし、これらを理由にして離職する人は、福祉の学習経験がある人よりも、学習経験のない人の方が、明らかに多い。

 やはり介護は専門性の高い仕事であり、専門的な知識や技術、それにマインドを学習せずして、継続は難しいのである。派遣労働などにより労働力を流動化させようとする動きも盛んであるが、介護は短時間の研修だけで他分野から参入できるほど、単純な仕事ではない。浜銀総研のタフで有能な研究員の皆さんに心より感謝。

報告書のダウンロードはこちら:https://www.yokohama-ri.co.jp/rouzin_hoken27_rishoku/

 A investigation report about leaving of careworkers was published by Hamagin Research Institute. I was the chairman of this review committee. Careworker is not the unskilled. It is difficult to continue this work without professional knowledge, skills and minds.

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目的と目標と方法

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久々の投稿です。職場の「大学ニュース」先月号(748号)で編集後記を執筆した。以前は職場外にも配布されていた。電子版になってからは職場外から閲覧できなくなったので、ここに拙文を残しておく。
・・・
 目的と目標と方法は、私が教育と研究に携わる中で見えてきた、大切なキーワードである。例えば、クルマを購入するという目的のために、頭金の50万円を貯めるという目標が設定されて、その目標を達成するための方法として稼いだり節約したりすることになる。また、例えば、生活習慣病を予防するという目的のために、腹囲を1カ月で2㎝減らすという目標が設定されて、その目標を達成するための方法として運動したり食事管理したりすることになる。
   大学ニュース創刊当時の記事を読むと、職場規模の拡大に伴い、困難となった情報共有の促進が、創刊の目的であったことが分かる。特に目標は設定されていないものの、方法が紙媒体からイントラネット上の電子版になって以降、大学広報誌委員会では毎回、アクセク数を確認し、どの記事が多く読まれているかを把握している。今後、アクセス数を増やすためには、必要性が高く魅力的な記...事を、今まで以上に提供していかなくてはならない。しかし、それだけではなく、学内Wi-Fi環境を整えてスマートフォンでもアクセス可能にしたり、IDとパスワードによる学外からの閲覧を可能にしたりなど、方法についても検討する余地はある。
   なお、職場の目的は建学の精神や理念として掲げられており、それを実現するために各部署や各職員が目標を設定することとなる。そして、その目標を達成するために個人や集団に影響を及ぼすのが、職場のリーダーシップである。今年も医療人統合教育学習センターと人事部の共催により、私が講師を務めるリーダーシップ研修が11月26日(木)に予定されている。多職種とともに学び合うことを、今から楽しみにしている。
  (諏訪茂樹)

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やる気・やりがい

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 「やる気・やりがいと保健医療」がメインテーマです。第28回日本保健医療行動科学会学術集会が、2013年6月22・23日(土・日)に東京女子医科大学弥生記念講堂で開催されます。患者・利用者にとっても、保健医療職・援助職にとっても、やる気とやりがいが問われる時代です。ともに語り合いましょう。非会員の方もお誘い合わせのうえ、ご参加ください。

 名称:第28回日本保健医療行動科学会学術集会
 日時:2013年6月22‐23日(土・日)
 場所:東京女子医科大学弥生記念講堂(大江戸線若松河田町駅より徒歩5分)
 メインテーマ:やる気・やりがいと保健医療
 特設FBページ: http://www.facebook.com/jahbs2013

プログラム:

<1日目> 6月22日(土)
9:00-     受付開始
9:55-10:00  開会宣言
10:00-12:00 一般演題口頭発表Ⅰ
12:10-13:10 拡大理事会・顧問評議員会
13:20-14:00 総会
14:10-14:20 当番校挨拶
14:20-15:20 基調講演:医療従事者のやる気とやりがい
          
―リーダーシップとマネジメントの視点から
15:30-17:30 体験学習ワークショップ
   1)ナラティブ・ベースト・メディスン
   2)ヘルスカウンセリング
   3)ティーチングとコーチング
   4)他(検討中)
18:00 懇親会

<2日目> 6月23日(日)
7:30               特別企画:皇居一周ラン
9:00-             受付開始
10:00-12:00 一般演題口頭発表Ⅱ
12:10-13:10 一般演題ポスターセッション
13:20-14:10 理事会
14:20-15:20 特別講演:検討中
15:30-17:00 シンポジューム:やる気・やりがいと保健医療行動
                    ―糖尿病治療、透析、禁煙、食習慣改善などをめぐり
17:00-17:10 閉会の言葉

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就職先(職場)の決め方、選び方

Photo 一時期に比べると改善してきたとは言うものの、医療系・福祉系の一部を除けば、相変わらず厳しい就職戦線が続いています。国内だけで見れば人口減少が続き、経済は縮小傾向にあるわけですから、バブル期のような労働力売り手市場の時代は、再来を期待しない方がよいでしょう。そうすると、なおさら、職場選びは大切となります。簡単に職場を変えられないことから、職場選びに失敗すると勤務時間中は死んだ振りをして、生活費を稼ぐためだけに仕方がなく、まるで奴隷のように働くことになるのです。
 職場選びで大切なのは、いったい何でしょうか。お給料でしょうか。お休みの多さでしょうか。それともロケーションでしょうか。もちろん、それらも大切なことは確かです。しかし、待遇やロケーションで職場を選んで、もしも経営者や他の職員と考えが合わなければ、自分の職業生活はまるで地獄のようになります。
 職場選びで本当に大切なことを理解するには、そもそも何のために働くのかを理解しなければなりません。働くのは「自分のためだ」という人もいるでしょう。「家族のためだ」という人もいるでしょう。もちろん、それも間違いではありません。しかし、自分や家族のために活動するのは、おもに私生活の領域です。それに対して職場では、おもに社会のために働くのだと言えます。「社会」という表現が抽象的で分かりづらければ、「人々」という言葉に置き換えてもよいでしょう。
 いかなる職場にも必ず目的があります。そして、その目的は理念という形で表現されています。「利益を追求します」という理念は、見たことがありません。多くの職場が「~に貢献します」とか「~を支えます」などと、社会的使命を理念として掲げています。ドラッカーも述べたように、企業(職場)は社会の機関であり、その目的は利潤追求ではなく社会にあります。企業の目的は顧客を創造すること、つまり、困っている人々、不自由している人々を見つけて、必要な物やサービスを提供することなのです。(Drucker P.F. 1974,邦訳版『マネジメント 基本と原則』p.15)。
Photo_2 社会的使命である理念を実現するために職場があり、職員が集まって働いているのです。したがって、職場選びで一番大切なのは、理念ということになるのです。理念に共鳴し、それを実現したいと思えば、お給料やお休みの多さ、ロケーションなどは少々不利でも、一生懸命に働こうという意欲が湧いてきます。そして、自分の職業人生は活き活きとし、充実したものとなり、それが自分の私生活や人生全体にも好影響をもたらすのです。
 理念が曖昧な職場や、まるで取ってつけたような、形だけの理念しか見られない職場は、いくら儲けていようと、避けた方がよいでしょう。また、人々にとって不要なものを作ったり、売りつけたりしている職場も、やめた方がよいでしょう。私利私欲のために働くのではありません。人々のために働くのです。「利益は目的ではなく、あくまでも条件」(Drucker P.F. 1974,同上)なのです。

※ 姉妹ページ「研究テーマの決め方、選び方

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学生が看護師を目指した理由

学生が看護師を目指した理由
 結論から言うと、a.「自分や身内の入院を通して」(37%)、b.「親などの身近な人が看護師」(23%)、c.「人の役に立ちたいと思って」(15%)の順であった。「入学して1年も経つと、初心を忘れがち。やる気を維持するためにも、看護師を目指した理由を、ときどき思い出そう」「どのような体験が自分達の進路選択に影響を及ぼしているか、振り返ってみよう」などと言いながら、研究目的ではなく、あくまでも教育目的で行ったために、厳密な手続きは踏んでいない。私が担当する2年生の授業において先日(2012年4月19日)、葉書大のカードを配り、「看護師を目指すことになった主な理由を一つ書いて下さい」と伝えて、受講する看護大学生86名に匿名で自由記述してもらった結果。

 自由記述の内容をもう少し詳しく見て行くと、a.「自分や身内の入院を通して」では、「自分が入院した時、看護師の優しさにふれて」「いつも傍らにいてくれた看護師を見て」「身内が入院した時、自分の無力さを感じた」などが見られた。b.「親などの身近な人が看護師」では、「看護師のお母さんの姿を見て、カッコイイと思った」「両親が職場での出来事を楽しそうに話していた」「親の影響で宿命だと思っている」などが見られた。そして、c.「人の役に立ちたいと思って」では、「患者さんの支えとなる存在だから」「社会貢献できるから」「難民キャンプのことを知って助けたいと思った」などが見られた。

 実習中に看護学生がやる気になった一言では、教員や実習指導者からは「よくできているわね」「がんばっているわね」などの褒め言葉が上位を占めたが、患者さんからは「ありがとう」「あなたがいてくれてよかった」などの感謝の言葉だった。看護学生の大半は看護がしたくて看護師を目指している。同様に看護師も大半が、看護がしたくて看護師になっている。だから、一生懸命に看護をして患者さんに喜んでもらえると、俄然、やる気になる。流行りの手法を取り入れて新たな負担を強いるのではなく、看護を通して患者さんに喜んでもらう体験をさせることが何よりも大切だという、いわば当たり前のことを、医療系・看護系大学の教員研修や看護系諸団体の管理職研修で繰り返し訴えてきたが、それを裏付ける資料の一つとなった。学生にはこの結果をフィードバックし、看護という仕事の意義や価値を考えるうえでの参考にしてもらう予定。

諏訪茂樹:成長をサポートするコミュニケーションスキル、日本栄養士会雑誌2010年2月号(第一出版)

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良質な研究会

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 3月3日土曜日の午後、筑波大学東京キャンパスの文京校舎にて開催した研究会は、とても良質なものとなった。日本保健医療行動科学会東京支部の第90回研究会として開催したもので、日本赤十字看護大学の谷津裕子先生をお招きし、「研究における論理的一貫性」というテーマでご講演いただいた。「面白くて読みやすい論文の特徴は、主題が読み手の関心に近いことと、一本の線が貫かれていること」というお話から始まり、その一本の線を如何に貫くかを、2時間にわたって詳細かつ明快にお話しいただいた。もっと多くの人に聞いてもらいたいと思ったし、何度も聞き返したいとも思った。看護や保健・医療分野の方だけではなく、全ての分野の学生・大学院生や研究者にとって、聞く価値のある話しだと思った。

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気づきの分かち合いと自己決定 -ブラインドウォーク

 ①まずは課題を体験して、②「もっと上手くやるには、どうすればよいか」を個人で振り返り、③個人の力には限界があるので、4人一組のグループで分かち合い、④さらに全体で分かち合い、⑤こうして沢山の気づきが出てきたところで、取捨選択して自己決定して、⑥自己決定したことをペアの相手やグループのメンバーに報告して、⑦もう一度課題に取り組む。このような集団決定法による体験学習(演習)の過程のうち、④⑤⑥の段階の動画です。
 課題は目隠しした相手に言葉だけで指示を出して、ゴールまで誘導するブラインドウォークでした。他の課題でも同様の過程をたどり、行動変容を狙います。
 参加者は若い人たちが中心だったために、脱線しないようにと、少々強くリードしています。

メモ:携帯D905iで撮った3GPPファイルのままだとPCで音声が再生されないために、QTconverterを使ってMPファイルに変換のうえ、Windows Live ムービーメーカーを使って編集し、WMVファイルとして保存&アップ。

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平均の差の検定

Kentei

 英語と国語と社会だけで大学に入学し、読み書きだけで卒業した私立文系の私にとって、データの統計処理はとても難しく、どちらかというと苦手です。それでも、仮説や効果を実証するために避けて通ることができず、安価で使いやすいパソコンや統計ソフトの発達・普及に支えられて、曲がりなりにも何とかこなしています。
 職場内学会の学術集会が開催された先日、ランチョンセミナーで「検定の必要性」という10分間のミニレクチャーを担当しました。統計学や研究方法論の専門家ではない、素人による外れた説明の方が、専門家による本来の正しい説明よりも分かりやすいということで、実際にあった学生との会話を再現しながら、初学者を対象にして、あえて外れた説明を披露しました。いま振り返ってみると、まんざら外れたことばかりではありませんが、話した内容は次の通りです。

学生:平均に違いが見られました。
  私:そう?T検定の結果は?
学生:どうして検定するのですか?面倒!
   私:たまたま偶然かもしれないじゃない。他の人を対象にした時も同じことが言えるかどうか、調べるの(外れた説明)。
仮説の正しさを確率的に判断するためなの(本来の説明)。
学生:そっかー。でも、疑い深いね。
   私:じゃあ、データを入力したエクセルの表を開いて、「ツール(T)」の「分析ツール(D)」をクリックして。
学生:どのT検定でするのですか?
   私:同一グループの何かを前後で比較するなら「一対の標本による平均の検定」。2グループ間で何かを比較するなら「2 標本による検定」。
学生:等分散かどうかは?
   私:ケース数が30以上だったら、「等分散を仮定した 2 標本による検定」でいいよ(外れた説明)。
F検定の結果を見て、どちらでやるかを決める(本来の説明)。
学生:できた。このPって何ですか?
   私:たぶん(probably)のpだよ(外れた説明)。
確率(probability)のpだよ(本来の説明)。
学生:で、Pが0.01とか、0.1って、どういうことですか?
   私:よく言うじゃない。「99%間違いない」とか、「十中八九間違いない」とか(外れた説明)。
この結果は偶然であり、両者に差はないという確率が、1%とか、10%ということ(本来の説明)。
学生:ゆう!ゆう!「たぶん、99%間違いない」ってことかー。

 人の命を左右するような、間違いが許されないことでは、Pが1%未満(p<0.01)でも不十分かもしれません。それ以外のことでも、Pが5%未満(p<0.05)であることが望まれます。
 次の表の検定結果は、①「講義による健康教室」の前と後とでは参加者の体重の平均が変らず(片側検定 p=0.162)、差がないこと(両側検定 p=0.324)、②「集団決定法によるグループワーク」の前よりも後の方が参加者の体重の平均が少なく(片側 p=0.0000000812)、差があること(両側 p=0.000000162)、③「健康教室」よりも「グループワーク」の方が減量効果が大きく(片側 p=0.0000000155)、差があること(両側 p=0.0000000311)などを示しています。

表 減量効果の比較(サンプルデータ)
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スロースタディ

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 最近、スロースタディという言葉を、たびたび使っている。考え方はスローライフやスローフードと同じで、一つ一つの問題をじっくしと噛みしめながら、丁寧に学習していくことをスロースタディーという。それに対して、短時間に大量の知識を詰め込む学習は、ファーストスタディである。

 原稿執筆や研修講師の依頼をいただく際に、「あれにも触れて欲しい、これにも触れて欲しい」などと、たくさんのテーマのリストをいただくことがある。そうすると、原稿は読み応えのない用語解説になってしまうし、研修は大量の知識を提供するだけの一方的な講義になってしまう。ところが、そんな教育方法では、本当の実力を身につけてもらうことができない。大量の知識は右耳から左耳へと抜けて行くだけであり、一時的に記憶に留めることができたとしても、試験が終われば大半が泡のように消えてしまうのである。

 「人に教えてもらったことは身にならない」というが、まったくその通りだと思う。自分で考えようとすると、確かに時間はかかるし、たくさんのテーマを同時に扱うことはできない。しかし、自分で考えてたどり着いた結論は、生きていくうえでの知恵となり、確かな実力へとつながるのである。

 ゆとり教育の見直しが進んでいるが、ゆとり教育そのものが悪いわけではない。ゆとり教育の原理やノウハウをもって教育にあたらず、ただ単に自由時間を与えて放任・放置してしまったから、上手く行かなかったのだと思う。

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