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就職先(職場)の決め方、選び方

Photo 一時期に比べると改善してきたとは言うものの、医療系・福祉系の一部を除けば、相変わらず厳しい就職戦線が続いています。国内だけで見れば人口減少が続き、経済は縮小傾向にあるわけですから、バブル期のような労働力売り手市場の時代は、再来を期待しない方がよいでしょう。そうすると、なおさら、職場選びは大切となります。簡単に職場を変えられないことから、職場選びに失敗すると勤務時間中は死んだ振りをして、生活費を稼ぐためだけに仕方がなく、まるで奴隷のように働くことになるのです。
 職場選びで大切なのは、いったい何でしょうか。お給料でしょうか。お休みの多さでしょうか。それともロケーションでしょうか。もちろん、それらも大切なことは確かです。しかし、待遇やロケーションで職場を選んで、もしも経営者や他の職員と考えが合わなければ、自分の職業生活はまるで地獄のようになります。
 職場選びで本当に大切なことを理解するには、そもそも何のために働くのかを理解しなければなりません。働くのは「自分のためだ」という人もいるでしょう。「家族のためだ」という人もいるでしょう。もちろん、それも間違いではありません。しかし、自分や家族のために活動するのは、おもに私生活の領域です。それに対して職場では、おもに社会のために働くのだと言えます。「社会」という表現が抽象的で分かりづらければ、「人々」という言葉に置き換えてもよいでしょう。
 いかなる職場にも必ず目的があります。そして、その目的は理念という形で表現されています。「利益を追求します」という理念は、見たことがありません。多くの職場が「~に貢献します」とか「~を支えます」などと、社会的使命を理念として掲げています。ドラッカーも述べたように、企業(職場)は社会の機関であり、その目的は利潤追求ではなく社会にあります。企業の目的は顧客を創造すること、つまり、困っている人々、不自由している人々を見つけて、必要な物やサービスを提供することなのです。(Drucker P.F. 1974,邦訳版『マネジメント 基本と原則』p.15)。
Photo_2 社会的使命である理念を実現するために職場があり、職員が集まって働いているのです。したがって、職場選びで一番大切なのは、理念ということになるのです。理念に共鳴し、それを実現したいと思えば、お給料やお休みの多さ、ロケーションなどは少々不利でも、一生懸命に働こうという意欲が湧いてきます。そして、自分の職業人生は活き活きとし、充実したものとなり、それが自分の私生活や人生全体にも好影響をもたらすのです。
 理念が曖昧な職場や、まるで取ってつけたような、形だけの理念しか見られない職場は、いくら儲けていようと、避けた方がよいでしょう。また、人々にとって不要なものを作ったり、売りつけたりしている職場も、やめた方がよいでしょう。私利私欲のために働くのではありません。人々のために働くのです。「利益は目的ではなく、あくまでも条件」(Drucker P.F. 1974,同上)なのです。

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