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クレーム対応もしく苦情処理

Telephone クレームに対して、各スタッフが見事な対応をするレベルの高い職場がある一方で、言い訳・弁解・自己正当化に終始するあまり、評判が悪化し続けている職場もある。クレーム対応もしく苦情処理について、ここ3ヶ月ほどの間に、改めて考えてみる機会を得た。職場の大学院生の論文審査で外来看護師のクレーム対応の研究を担当したり、地方の社会福祉協議会から苦情解決研修会の講師を依頼されたり、化粧品メーカーS社でクレーム対応の責任者になっている高校時代の同級生と忘年会で再会したりなどが、たまたま偶然にも重なったからである。

 日本では1999年の東芝クレーマー事件以来、「クレーム=不当・不正な要求」というイメージがマスコミによって広まってしまったが、クレーム claim という言葉には本来、(権利などを)要求するという意味しかないはずである。そして、その要求の内容について、正当なものと不当なものとがあるのであり、さらには、要求の方法について、正当なものと不当なものとがあるのだ。「クレーム=不当・不正な要求」と捉えている限りは、クレーム対応から何の成果も利益も得ることはできない。 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で総合1位を30年以上も受賞し続ける加賀屋旅館も、クレームゼロを目指して業務改善を繰り返しているが、本当にクレームがゼロになったら発展は終わるであろう。病院外来で最も多いクレームは待ち時間に関するものとのことであり、また、福祉施設利用者のクレームの半数近くはスタッフの接遇に関するものとのことだが、これらのクレームは業務改善にとって無くてはならないものなのである。

 いかなるクレームに対しても、納得してもらうための説明を初めから行うと、あるいは説明だけで済ませようとすると、問題をこじらせてしまうことになりかねない。説明をする前に、相手の気持ち(不快感)への理解を示し、労をねぎらい、不便・不自由・不快感を与えたことについて、速やかに謝罪することが、まず何よりも必要となるのであり、欠かせないのである。そのうえで、納得してもらうための説明をすることになるのだが、正当な内容のクレームに関しては、改善策の立案と実施にまで至らなければ、職場の利益につなげることはできない。

 要求内容が正当か不当かを問わず、正当な方法によるクレームには、当事者となったスタッフによる対応で十分であろう。問題になるのは暴言・暴力・迷惑行為など、著しく不当な方法によるクレームであり、そのような場合には、いつまでもスタッフだけで抱え込むのではなく、速やかに管理職や他部門や他機関にバトンタッチすることが望まれる。それと同時に、当事者となったスタッフへのフォロー(理解や労いや謝罪)も忘れてはならず、まちがってもスタッフ個人の責任として処理したり、対応の不味さを一方的に非難したりすることは、避けなければならない。

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