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平均の差の検定

Kentei

 英語と国語と社会だけで大学に入学し、読み書きだけで卒業した私立文系の私にとって、データの統計処理はとても難しく、どちらかというと苦手です。それでも、仮説や効果を実証するために避けて通ることができず、安価で使いやすいパソコンや統計ソフトの発達・普及に支えられて、曲がりなりにも何とかこなしています。
 職場内学会の学術集会が開催された先日、ランチョンセミナーで「検定の必要性」という10分間のミニレクチャーを担当しました。統計学や研究方法論の専門家ではない、素人による外れた説明の方が、専門家による本来の正しい説明よりも分かりやすいということで、実際にあった学生との会話を再現しながら、初学者を対象にして、あえて外れた説明を披露しました。いま振り返ってみると、まんざら外れたことばかりではありませんが、話した内容は次の通りです。

学生:平均に違いが見られました。
  私:そう?T検定の結果は?
学生:どうして検定するのですか?面倒!
   私:たまたま偶然かもしれないじゃない。他の人を対象にした時も同じことが言えるかどうか、調べるの(外れた説明)。
仮説の正しさを確率的に判断するためなの(本来の説明)。
学生:そっかー。でも、疑い深いね。
   私:じゃあ、データを入力したエクセルの表を開いて、「ツール(T)」の「分析ツール(D)」をクリックして。
学生:どのT検定でするのですか?
   私:同一グループの何かを前後で比較するなら「一対の標本による平均の検定」。2グループ間で何かを比較するなら「2 標本による検定」。
学生:等分散かどうかは?
   私:ケース数が30以上だったら、「等分散を仮定した 2 標本による検定」でいいよ(外れた説明)。
F検定の結果を見て、どちらでやるかを決める(本来の説明)。
学生:できた。このPって何ですか?
   私:たぶん(probably)のpだよ(外れた説明)。
確率(probability)のpだよ(本来の説明)。
学生:で、Pが0.01とか、0.1って、どういうことですか?
   私:よく言うじゃない。「99%間違いない」とか、「十中八九間違いない」とか(外れた説明)。
この結果は偶然であり、両者に差はないという確率が、1%とか、10%ということ(本来の説明)。
学生:ゆう!ゆう!「たぶん、99%間違いない」ってことかー。

 人の命を左右するような、間違いが許されないことでは、Pが1%未満(p<0.01)でも不十分かもしれません。それ以外のことでも、Pが5%未満(p<0.05)であることが望まれます。
 次の表の検定結果は、①「講義による健康教室」の前と後とでは参加者の体重の平均が変らず(片側検定 p=0.162)、差がないこと(両側検定 p=0.324)、②「集団決定法によるグループワーク」の前よりも後の方が参加者の体重の平均が少なく(片側 p=0.0000000812)、差があること(両側 p=0.000000162)、③「健康教室」よりも「グループワーク」の方が減量効果が大きく(片側 p=0.0000000155)、差があること(両側 p=0.0000000311)などを示しています。

表 減量効果の比較(サンプルデータ)
Datasample_2

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