« 続:財布を持たずに青森へ -実は忘れた... | トップページ | 41階の客室から »

チャネルとメディア

Channel コミュニケーション論で必ずと言ってよいほど出てくる言葉に、チャネルchannelとメディアmediaがあります。これらの言葉をわかりやすく説明している文献は少なく、そのためにコミュニケーション論はしばしば難解となり、勉強し始めた人の学習意欲を削ぐことになります。

 まずはコミュニケーション・チャネルについてですが、私たちが慣れ親しんでいるテレビのチャンネルとは、違う言葉なのでしょうか?実は同じです。channelをテレビではチャンネルと言い、コミュニケーション論ではチャネルと言っているだけなのです。channelは水道管を意味するラテン語が語源であり、今日では経路とかルートという意味で使われています。コミュニケーションには言語、準言語、非言語の三つのチャネル(あるいは、言語と非言語の二つのチャネル)があると言われますが、なぜ、このときにチャネルという言葉を使うかを、分かりやすく説明しなければならないでしょう。

 そもそもコミュニケーションとはメッセージをやり取りして共有することですが、そのメッセージは人の内側(認知、感情、思考など)から生まれると考えられます。そして、それが人の外側に向かって表現される経路として、言語と準言語と非言語があるのです。言葉を使ってメッセージが表現されれば、言語チャネルが使われたことになります。話し言葉を使う際の語調や書き言葉を使う際の筆跡がメッセージを表現していれば、準言語チャネルが使われたことになります。そして、言語以外のもの(表情や動作など)でメッセージが表現されると、非言語チャネルが使われたことになるのです。このように、人の内側で生まれたメッセージが外側に向かって出て行く経路のことだと説明すれば、コミュニケーション・チャネルという概念も分かりやすくなるのです。

 それでは、コミュニケーション・メディアとは、何のことでしょうか。また、チャネルとは、どういう関係にあるのでしょうか。メディアは媒体という言葉に訳されて、たびたび使われています。そのために、チャネルよりは説明しやすくなります。人の内側から外側へと、チャネルを使って表現されたメッセージを、今度は人から人へと伝えることになりますが、その際に使われるもの(媒体)がコミュニケーション・メディアなのです。

 時間と場所を共有しながら、向かい合って直接的に伝えられると、対面というメディアが使われたことになります。場所を共有していない人にも、電話というメディアを使えば、メッセージを伝えることができます。さらに、手紙というメディアを使えば、時間と場所の両方を共有していない人にも、メッセージを伝えることができるのです。

Media  どのメディアを使うかによって、使われるチャネルも自ずと異なることになります。対面やテレビ電話では、言語と準言語と非言語という三つのチャネルが同時に使いえます。また、音声電話や手書きの手紙では、言語と準言語が使えます。さらにパソコンを使う電子メールでは、言語しか使えないのです。使えるチャネルが少なくなるほど、伝えられるメッセーも制限されることになり、そのために誤解も生じやすくなります。したがって、簡単なことはメールで済ませて、込み入った用件は電話や対面で伝えるというように、メディアの使い分けが行われているのです。

文献
・諏訪茂樹 1997:援助職のためのコミュニケーションと人間関係 第2版,建帛社.

|

« 続:財布を持たずに青森へ -実は忘れた... | トップページ | 41階の客室から »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 続:財布を持たずに青森へ -実は忘れた... | トップページ | 41階の客室から »