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助言による消極的ティーチング

Advice_training120120 「・・・してはいかがですか?」という助言は、「・・・しましょう」とか「・・・して下さい」という指示よりも、相手の主体性を少しは尊重した関わり方だと言えます。なぜならば、「・・・してはいかがですか?」と言っても、そうしない人もいるのであり、助言に従うか否かは本来的に本人の気持ち次第だからです。そこで筆者は助言を消極的ティーチングとして、指示による積極的ティーチングと区別しています。

 依存した全くの初心者に対しては、指示による積極的ティーチングで、まずは基本的なことを覚えてもらう必要があります。そして、やがて、「やったことはある」「でも未だ自信がない」「少しは自己解決できる」「自分のやり方が適切か否か教えて欲しい」という、いわば半依存の状態になった相手には、いつまでも指示を出し続けるのではなく、もう少し本人の主体性を尊重しながら、「・・・してはいかがですか」と助言することが望まれるのです。成長しはじめた半依存の相手にまで、いつまでも指示を出し続けると、相手のやる気や主体性を潰して、依存させてしまうことになります。せっかく伸びてきた成長の芽を摘んで依存させてしまうのか、あるいは、さらに自立度の高い成熟したステージ(半自立)へと成長をサポートするのかという、重要な分かれ目がこの半依存というステージなのです。

 適切な助言について学ぶ一つの方法として、助言トレーニングがあります。二人一組になって一方がパズルに取り組み、他方が「・・・してはいかがですか」と助言するのです(右上の写真参照)。助言トレーニングの体験を振り返ると、効果的な助言の仕方に気づくことになります。よくある気づきを紹介すると、次の通りです。

①はじめから口出しせず、まずは見守る
最初から助言するのではなく、まずは見守ります。そして、どこまで1人で出来るかという、相手の自立度を把握するのです。
②相手が困っているときのみ、助言する
手が止まったり、難しそうな表情をしたりして、相手が困っている様子を示した時に、タイミングよく助言します。困ってもいないのに助言すると、ありがた迷惑になることがあります。
③命令口調や決めつけた言い方は避ける
「・・・しましょう」とか「・・・して下さい」という指示や、「・・・しなさい」という命令口調は避けるべきです。「・・・してはいかがですか」と提案するのが、本来の助言です。
④矢継ぎ早に助言しない
一つの助言をしたら、しばらく様子を見ましょう。矢継ぎ早に助言すると、指示と変らなくなります。
⑤理由も告げて納得してもらう
指示を出すときと同様、助言をするときにも相手に納得してもらうことが大切です。相手に納得してもらうためには、やはり理由を添えて助言する必要があります。
⑥助言を無視されても不機嫌にならない
主役は助言をする自分ではなく、作業をする相手です。たとえ助言が受け入れられなくても、冷静に対処しましょう。イライラしたり、怒り出したりするのは禁物です。
etc

 その他、たくさんのことに気づくはずです。答えはあなたの中にあり、あなた自身が教科書なのです。助言トレーニングに取り組むことで、ぜひとも、あなたなりの答えを見つけ出してください。

※「情報提供としてのティーチング」「指示による積極的ティーチング」「ティーチングとコーチングの使い分け」「行動変容ステージと支援方法」なども、参考にして下さい。

※参考文献:
 諏訪茂樹「対人援助のためのコーチング -利用者の自己決定とやる気をサポート」中央法規出版
 諏訪茂樹「看護にいかすリーダーシップ -状況対応とコーチングの体験学習」医学書院

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