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マインドとテクニックとスキル

 どんなアプローチにもマインド(心もしくは精神)とテクニック(技法もしくは技術)とスキル(技能)があり、これら三つの側面から学習することが大切です。

 マインドとテクニックが異なることは、誰でも容易に理解できるでしょう。マインドとは各種アプローチにおける基本姿勢のようなものです。例えばカウンセリングであれば非指示的とか共感というマインドがあり、また、例えばコーチングであれば答えを引き出すとか自己解決をサポートするというマインドがあります。そして、これらのマインドを具体的に実現するのがテクニックです。マインドそのものは直接的に観察することができず、それ対してテクニックは、観察可能な特定の行動として表れます。

 テクニックのみでマインドに欠ける会話例として、例えば次のようなものがあります。「もう1ヶ月も息子から便りがない」という相手に対して、「それはご心配ですよね」と言葉では返しました。ところが、心の底では、「1ヶ月ぐらい何よ」と思っているのです。この例では、共感のテクニックを使っているものの、相手の気持ちを理解し、その気持ちに付き添うという、共感のマインドに欠けているのです。

 それでは、テクニックとスキルの違いは何かというと、同じことをテクニックと言ったりスキルと言ったりと、明確な使い分けがなされず、同義のものとして扱われることさえあります。どうも違いが曖昧なテクニックとスキルですが、この二つの言葉をスポーツ界では明確に使い分けているようです。かつて某大学院で私の授業を受けた実業団チームのコーチは、必要な場面で必要なテクニックを使えばスキルになると、分かりやすく説明していました。つまり、いくら正確にパスやシュートができても、それはテクニックなのです。そして、実際の場面でどちらが必要かを的確に判断して、パスやシュートを使い分けられるようになればスキルなのです。

 テクニックのみでスキルに欠ける会話例として、例えば次のようなものがあります。「お歳は幾つですか?」と尋ねると、相手から「85歳です」という応えが返ってきました。そこで、「それはお辛いですよね」と言ってしまったのです。この例では、必要性のないところで共感のテクニックを使っており、スキルとしては極めて未熟なのです。

 短時間に付焼刃で新しいアプローチを勉強しようとすると、ついついテクニックのみに走りがちです。しかし、マインドを伴わないテクニックほど虚しいものはありませんし、しかも、テクニックをスキルとして使いこなさないと成果がでないのです。

コミュニケーションにもテクニック

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